学園アイドルRTD

試合終了後―…。

「行くぞ〜もたもたすんな!」

『はい!』

「あの…」

「おぉ、リリーフして投げてた…。

どうした?」

「智也と…美玲、さん?と、話をしたいんですけど…」

「あ、わかった。
智也、美玲!」

『はい』

「2人の荷物持ってやって」

『はい』

「何でっか?」

「話があるって」

「よ」

「お〜久しぶりやな〜」

「先にバスに乗ってるからな」

「あ、はい」

「今日は、完敗だった…。」

「でも、最後まで佑のこと打たれんかったやん。」

そう。

私達は、

相手のエラーや、四球などで点をとったから、

打ったわけではないのだ。
「ところで、話って?

そもそも、なんで私?」

「実は…来年、こっちに転校することになったんだ」
『こっち…?』

「明星学園。」

「おぉ、ほんまか!?」

「うん。

でさ…その報告と、俺、友達作るの苦手なんだ…。

だから、2人に待ってて欲しくてさ」

「そんなことか〜。」

「そんなことって、大事なことだし」

「なんも心配いらん。待っててやる」

「ありがとう」

「私も」

「ありがとう。

あ、美玲を呼んだのは、龍太郎さんの彼女の顔が見たかったからだよ」

「龍太郎の彼女?

私、なったつもりないけど…。」

「え?

でも…」

「でも?」

「いや、何でもない。

そろそろ行くな」

「お、おう」

「じゃ」

「…お、俺達も行こか」

「うん」

佑君の言葉は、

気になったけど、それよりも甲子園を目の前にして、
嬉しさが勝って、

いつの間にか忘れてたいた。