「なんですか…?」

「少し時間あるか?」

「あ、はい」

「実は俺の弟さ、2年なんだけど、今日弁当なのに忘れていってさ…」

「はい…」

だからなんだ?

「その…届けてくれないかな?」

「え…」

「だよな、見ず知らずの人に弁当箱届けるとか、嫌だよな…。
神崎圭って、わかる?同じクラスなんだけど…」

「わかんないです」

「俺のもう1人の弟なんだけど、さっさと帰っちゃって…頼んじゃダメかな…?」


まぁ、帰っても暇だし。


「分かりました。
でも、顔わかんないです」
「えーとね、一言で言うと、イケメン。」

「イケメン…」

「そう。で、女並に指が綺麗で、ここにほくろがある。」

指が綺麗で、
イケメンで、
首にほくろ…か。

「あと、野球部だから、色黒いよ。」

「野球部なんですか!?」

「うん。だから、会っておいて損はないと思うよ」

「はい。」

「ヨロシクな」

「はい」

なんか、緊張するけど、
楽しいかも!