そして男の番になった


『椎葉緋月。よろしく』


短い自己紹介
こんなんでいいんだろうか



始業式が終わり
職員室にてクラス担任が
発表される


一番最初に発表される1年生クラス



「1-A担任 青木桔平先生
副担任 椎葉緋月先生」



男は吃驚した
何で俺なんだ?と言う顔をしている


次々と発表していった


男の担当は1-Aの副担任と体育だ


体育担当 椎葉緋月先生

と呼ばれたときの男の表情は
嬉しそうだった

そんなに体育が好きなんだろうか




男はA組担任である青木と
教室へ向かった


2人が教室へ入ると
静まりだした生徒たち


青木は黒板の前に立ち
黒板に何かを書き始めた



「担任になった青木桔平だ」


青木は自分の名前を黒板に書き
自己紹介をしていった

男はそれに続くように


『副担任の椎葉。』


さっきと変わらず短い自己紹介
黒板には書かず口で言うだけ



女子生徒たちが騒ぎ始めた


「うちのクラスラッキーだね」

「うん。担任も副担任もイケメン」

「ヤバい。私恋しそう・・・」

「やめなよ」


そんな声ばかりが聞こえる



男は何かを思いついたのか
青木の耳元で


『つき合っちゃえば?』


と言ったのに気づいたのは
青木だけだった。



青木は顔を赤くした

理由を知るのは男だけだった