地味子が教室のドアを開けると
上から水の入ったバケツが落ちてきた



バシャーン



地味子は見事に水をかぶってしまった

教室の中は笑いでいっぱいになる



「まじでかぶったよ」


「あれ避けられる奴いんのかよ」


「いないね」


「だろ?」


「あはは」


「あはは」




地味子は無表情
何も感じないのか・・・


友達である女の子が
地味子に駆け寄り言う



「大丈夫?」



『大丈夫だよ』




地味子はニコッと笑う
友達の女の子は「はぁ」とため息をつき

地味子の腕を掴むと走りだした



『どこ行くの?』



「保健室」



『どうして?』



「そんな格好してたら風邪引くでしょ?」



『あ・・・うん』



地味子はどうしていいのかわからず
そのまま友達の女の子について行った




保健室に着くと
誰もいなく鍵が開いているだけだった



友達の女の子は保健室に入り
タンスを物色し始めた




「これで拭いて」




そう言ってバスタオルを渡す




『ありがとう』



「ジャージある?」



『いや、今日は帰るよ』



「えっ?せっかく来たのに・・・」




友達の女の子はショボーンとした
でも地味子の一言でパーッと笑顔になった





『大丈夫!明日もちゃんと来るよ』





口角を上げていった
何か策でもあるのだろうか・・・