「あはは。五十嵐って意外にドジなんだな。」
そこで電車が私たちの目的地に止まった。
『あ、私まだお昼買ってないから、コンビニよるね。』
「おー。じゃぁな。・・・あ!ちょい待って!!」
私が駅を出ようとすると、琉くんが追っかけてきた。
「五十嵐のメアド、聞いていい?ほら、なんか同窓会とかの時に連絡取りやすいしさ。」
『え?あぁ、いいよ。』
突然で戸惑ったけれど、なんだか嬉しくってケータイを取り出した。
他人にメアドを聞かれるのなんていつぶりだろう。
「貸して。赤外線でもらうから、後でメールするね!」
『・・・うん!じゃあね!』
「またな~!」
久々に人とちゃんと会話をしたように感じてなんだか嬉しかった。
さっきまで重かった体が不思議と軽くなっていた。
