「そして、今でもお袋は 水商売に走ってんの。 夜になれば鮮やかに光る 街の建物の中に消えて、 知らない男と寝て稼いで。 俺はその金で、 その金のおかげで生きてきてんだ。」 最後に言った甘夏は 一滴だけ 涙を流した。 「街で俺はお袋のおかげで バカにされて 毎日喧嘩してたら あの学校行きになった。 今はあそこが俺の 居場所なんだよな。」