「にげなきゃ…にげなきゃ…にげなきゃにげなきゃにげなきゃにげなきゃにげなきゃにげなきゃにげなでもそのまえにころさなきゃころさなきゃころさなきゃころさなきゃころさなきゃころさなきゃなきゃなきゃなきゃなきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!」

猛流に覆い被さり、口移しに幼虫を吐き出そうとする『黒の者』。

湧き上がる嫌悪感。

吐き気。

おぞましさに叫び出しそうになる。

そんな中、身の内から溢れ出すのは『生への渇望』。

生きようとする力が、永久子の呪いをも凌駕する!

「おぉおぉおぉおぉおぉぁあぁああぁああっっ!」

零距離、『黒の者』にほぼ押し当てた状態の青白き炎を纏う刀を、渾身の力で振り抜く!

刹那、両断される悪しき肉体。

切断面から数百、数千のゴキブリが飛び散り、瞬時にして焼き尽くされる。