ソファーに腰をおろし、耳で歌を聞きながら、わたしは鏡に顔を向けていた。 このマスカラはお姉ちゃんのお下がりである。 リップは一番最後だから、とりあえずまつげが長くなったのを確認して、 ネイルに行動を移した。 有名なアイドルグループであれば、もちろん知っている曲もあるわけで。 わたしは口ずさみながら、ネイルを塗っていった。 早く乾かすために、下敷きで指を扇いで。