「はぁーっ」
あたしは学校の自分の席に座った瞬間
大きなため息をついた
「なーに、そんな大きなため息ついて。ババくさいなー」
そう言って教室に入ってきたのは〈方波見 ゆり〉
中学からの友達でなんだかんだいつも一緒にいる
ゆりって、名前通り肌は白いし顔立ちも綺麗な方
でも、バリバリスポーツ女子
中学では陸上、高校では空手部に入っている
「ゆりー、なんであんたはそんなに美しいのにそんなにたくましいんだい?」
「は?何言ってんの、あんた」
おまけに口も悪いときた
静かにしてればモテると思うんだけどなー
そんなゆりとは反対に童顔でスポーツもできなければ
勉強も微妙
今までの人生での恋愛経験はあるけど
まあ、お粗末なもので…
え?あたしの名前?
そういえば言ってなかったね!
あたしの名前は〈白石 由歩〉
公立高校に通う16歳
一応、華の女子高生ってやつ
でも女子高生っていっても
そんな恋愛漫画のようにはいかないのが現実
朝、遅刻しそうになって急いでたら
イケメンと鉢合わせ!
そんな運命の出会いからの
ラブラブストーリーの始まり
なんてものは無く
毎朝出会うのは幼なじみの海ぐらい
悲しいもんだねー、現実は
