私は、どちらかというと嬉しかった。

お父さんもお母さんもお兄ちゃんも、なんとなく、嫌いで。

私がこの家で信用しているのは、万由子さんとショコラとその子供だけだった。


だって、解らないんだもの。

ある日突然、知らない女のひとが『私が貴方のお母さんよ!』と言って私のお見舞いにきた。


けど。


『あなたにとって私は娘かもしれないけど、私にとってあなたは他人でしかないの。


だから、関わらないでください。』