俺がそうなるのと同じように、陽の身体も少しずつ大きくなっていった。

『陽は生きてる。』

そう、思ってた。


でも、周りの全てが信じられなくなった陽は、あの世界で幸せなんだろうか。

二度と目をさまさない陽は、本当に生きてるんだろうか。



…陽は、生かされているだけ。



「おばさん。」

俺は、焦点の定まらない目を見つめた。

「陽はもう、10年も前に…死んでたんだよ……」