陽は、一命は取りとめたものの、意識不明の重態。

母親は、爆風に飛ばされたおかげで、頭を5針縫っただけだった。
と言っても丸3日間、昏睡状態だったけど。


俺はこの10年間、毎日お見舞いに来ていた。

ありえないって思っていても、陽が目を覚ますんじゃないかって…


そんなある日。

「陽に、元気に生活してもらいましょう…」
陽の母さんの言葉だった。

多額の金を注ぎ込んで、この機械を買い、陽に幻想を見せ続けた。