小学校の入学式。

紫峰家は一家揃って車で学校に向かった。
そして、事故に遭った。

原因は、運転手の居眠りだ。

運悪く、車はガードレールに突っ込み、破片が陽の脚を切り裂いた。

兄も犬も父も、死んだ。
ガソリンが引火して、爆死だ。

陽の小さい身体は、爆風に吹き飛ばされ、打ち付け、皮膚が避けた頭と、切れた脚から流れる血が、陽の周りに毒々しい海をつくった。


陽は、俺があげたウサギをずっと握り締めて
いた。


俺の親は、顔を青くしながらもスハートフォンに向かって何かを必死に訴えていた。