「じゃあ、どうすれば良かったのよぉ…
なにがいけなかったの?なんでぇ……」

一人泣き崩れる彼女の背中を、俺は黙って見ているしかできなかった。

陽の中身を覗き見たのは、今日が初めてだ。

今までの設定を知らない俺が入って、うまくいくとは到底思えなかった。

俺だって、断りたかった。
陽を、こんな姿の陽でも、失いたくなかったから。

ただ、陽の母さんがもう、マトモじゃないのも、目に見えていたから、どうしようもなかった。


……今となっては、言い訳だけど。