「…なつかし。なんも変わってねぇな。」

「そう?」

この人は私と仲が良かったのだろうか?


「とりあえず座って。
今万由子さんがお茶を持ってきてくれるから。」

「おう。」

聖くんは我が物顔でベッドを占領し、ウサギを抱き上げた。

なかなかにシュールな絵面ではあったが、特になにも言わなかった。

「知ってるかもしれないけど、私、15歳より前の記憶がないの。」

「あぁ。知ってる。」

知ってたんだ…。

「なら、話は早いね。自己紹介してちょうだい?」

「須藤 聖、16。高1。まぁ、陽とタメな。南校バスケ部18番。ポジションはシューティングガードで、身長は17「もういいわ。」

あまりにも詳しい自己紹介に私は口を挟んだ。