……なんて、物思いに耽っていると、目の前にはもう、紫峰邸が広がっていた。 『ピーンポーン』 中から犬の鳴き声が聞こえる。 「……ショコラか。」 ふと口もとが緩む。 ……ガチャ 出てきたのは中年のおばさん。 明らかに使用人。 「どちら様ですか?」 「あ、どうも。陽さんの友達の、須藤(すどう)聖といいます。」 名乗るとおばさんは「あっ」と驚いた顔をして、「こちらへどうぞ。」と、案内してくれた。 「陽さんなら、あちらに…」