私はメールを送り終えると、1階へ降りた。

「万由子さん」

「夕飯はパスタですよ。
どうかなさいましたか?」

万由子さんは、手を止めて顔をこちらに向けた。

「あ、そのままでいいですよ。
急なんですけど、今から人が来ます。
いいですか?」

まぁ、ダメって言われても困るのだけれど。

「ええ、構いませんよ。
いらっしゃったら声をかけてください。
お菓子は用意できませんが、お茶を入れましょう。」

「じゃあ、おねがいしますね。」

私はそれだけ告げて、キッチンを後にした。

駅前なら、そう遠くない。
特に見たいものがあるわけではないけれど、リビングのソファに体を預けてテレビを眺めた。