春。

「私1組だー‼」

「私もだよー‼やったー‼」

「俺離れたわー。」

「クラス違くても会いに行くから!」
どいつもこいつもうるさい。大体クラス発表でガタガタ言ってんじゃないよ。

「明菜ー‼おはよー‼あんた2組。あたしと同じ。1年間よろしくねー!」

「よろしくー。」
私、加藤明菜(かとうあきな)はこの度高校生になりました。同じクラスらしい私の友達は小川菜理。
「あんたクラス発表の時くらい騒いだっていいじゃない。笑」

「いちいちうるさいのよ!1組だーだのクラス離れたーだの!大体ね、…」

「あ、祐希くん‼」「本当だ‼祐希くんおはよう‼」

何だか人だかりが出来てる。気になった私たちはその人ごみの中に入っていった。
「誰あいつ。」

「明菜知らないの?この学校で頭良し、顔良し、ルックス良しの加藤祐希(かとうゆうき)よ。」

「へぇ。皆あいつが好きなの?」

「学校の王子様だからねぇ。何でも好きな女にしか告白を受け取らないらしいよ。」

「ふぅん。まぁ、あたしには関係無いしどうでもいいや。教室行こ。」
その時私は知らなかった。加藤祐希という学校の王子が私たちの事をみていたなんて。