2年ぶりにみた眩しいほどの笑顔は全然変わっていなくて、本当に帰って来たんだと実感する
ミナトさんは今年で26歳になるアキラさんの弟で、2年前からアメリカの大学院に留学している


「だってミナトさん、アメリカに行ってたんじゃ…」

「ちょっとこっちの大学に呼ばれてさ、一旦帰って来てたんだ。色々報告もかねて、2週間くらいは日本にいるんだ」

「そ、そうなんだ……」

突然の再会に驚いて、今はうまく言葉が出てこない
ミナトさんには小さい頃よく遊んで貰ったし、アキラさんの事を相談したのも彼が最初だった


『次は――駅、――駅ー』


話していると、もう次が降りる駅のようだ


「ごめんミナトさん、あたし次で降りるから…」

話はまたゆっくり、と伝えると、ミナトさんは顎に手をあてて考え込み始めた


「な、なに……?」

「いーこと思いついたっ!」


にっこり、というよりも、にやりとでもいうかのような笑みを浮かべたミナトさんに、嫌な予感がする…



「学校、サボっちゃえって!」