「…あれ、何か知ってる人のような気が…。」


鏡に映ったのは、初めて見る顔じゃなかった。
年の頃は大体20代前半から半ば、身長は175cmくらい…知り合いにこの条件の人がいないか、必死で記憶の糸を手繰り寄せる。


「うーん、知り合いじゃなさそうなんだけど、何か久しぶりな感じがしないのよね…。」


私は頭に手を当てて更に考え込んだ。最近の記憶にスポットライトを当ててもう一度記憶を辿ってみる。


「この大人しそうな顔、すっごく見覚えがあるんだけど……大人しい顔?」

私は自分の呟いた言葉にハッとした。…何か最近、こんな印象を持った人がいるような気がする…。