―また、声が聞こえる。


…慶兄、あんたそれでいいのかよ…!

…いいんだ、どうしたって彼女はもう…。


今度は、男の人の声だ。昨日の夢と関係あるんだろうか…?


…でも慶兄がそうしたところで、彼女だって…。

…それは分かってる。それでも…。


―それでも?
私は続きを聞きたくて夢の中で耳を澄ます。


しかし、それっきり2人の声は聞こえなくなってしまった。