私達は祭りに着くまでお喋りをしてました。大塚先輩が優しい人だと分かると緊張していた遥も笑顔で話していました。何故でしょうか?あそこにお花が散っていますよ。
「ごめんな。急に誘って。」
先輩が言いました。
「いえ、大丈夫ですよ。今日は思う存分楽しみましょう。」
そう言ったら心なしか先輩の顔が赤い様に見えます。
「大丈夫ですか?顔が赤いですよ。」
「い、いや。何でもない。」
どうしたんでしょう?…ああ、成る程。そういう事ですか。
「夏風邪ですか?風邪には気をつけてくださいね。」
先輩が目を開きました。驚いている様です。
「あ、ああ。大丈夫だ。」
大丈夫でしょうか?今日家に帰ったら風邪予防に良い食材を調べましょうか。…あれ?どうして先輩の事ばかり考えているのでしょうか?
先輩と目が合いました。恥ずかしくて思わず目を逸らしてしまいました。
「なぁ。高杉?」
「なんですか?」
「あの文月って奴…天然か?」
「はい。そ〜ですよ〜。」
「天然って怖いな。」
2人の後ろでそんな会話をしていた事は私達が知る由もなく。