私達は歩いて屋台などを回っている途中で小さな男の子を見つけました。泣いている様です。迷子の様で私は先輩の手を離しその子の元に行きました。
「どうしたの?迷子になっちゃったの?」
「ゔん。」
「私もお母さん一緒に捜してあげるから。だから泣かないで。」
男の子は泣き止みました。泣いていたので気がつきませんでしたが目がくりくりした可愛い男の子でした。
「名前は?なんていうのかな?」
「東雲伸太郎(しののめ しんたろう)
。」
「そっか伸太郎君っていうんだね。いい名前だね。」
そう言うと伸太郎君は笑いました。はにかみながらも凄く可愛いらしい笑顔で。
「さて、どうしよう?」
伸太郎君の手を握って辺りを見渡しました。相変わらずたくさんの人が。
「取り敢えず。歩こうか。」
カタッカタッ
「伸太郎君のおかーさん。いたら返事してください。」
「おかーさん!おかーさん!」
歩き続けて何分経ったのでしょうか。伸太郎君の顔が泣きそうになって来ました。
「大丈夫だよ。きっとお母さんが「伸太郎!」
「お母さん!」
伸太郎君のお母さんがこっちに駆け寄って来ました。伸太郎君もお母さんの元に走って行きます。伸太郎を抱き抱えたお母さんは私を見て
「ありがとうございました。」
「いえ、気にしないでください。伸太郎君。もう迷子になったら駄目だよ。」
「うん。ありがとうお姉ちゃん!」
伸太郎君を見送った後私は先輩の元に帰ろうと歩き出そうとしました。
「…ここどこ?」
迷子になりました。