「できない・・・・・・」

 あれから達磨は結真を何度もデートに誘い、いろんな場所へ連れて行ったものの、未だに進展がなく、友達止まりだった。
 
「達磨?」
「結実香ちゃん」

 テレビを観ていた結実香は達磨を見ていた。

「どうしたの?」
「何でもないよ、結実香ちゃん」
「嘘。さっきからテレビを観ていなくて、溜息ばかり吐いているよ!」

 結実香は達磨の様子がおかしいことに気づいていて、テレビを観ていなかった。

「ごめんね、ちょっと考えごとをしていただけだから」
「悩みだったら、いくらでも聞くよ?」

 結実香は優しい性格で、達磨の様子がおかしいことに気づくと、いつも心配そうに見上げる。