家に帰ってきた達磨は結実香と一緒に結真からもらったチーズパイを食べていた。

「美味しいね!達磨!」
「そうだね」

 もっとチーズの香りが強いのかと思っていたけれど、そうでもなかった。
 チーズパイを食べ終えた結実香は達磨の鞄の中を開けようとしているので、慌ててやめさせた。

「駄目だよ、勝手に触っちゃ」
「携帯電話を貸して」
「携帯?」

 チーズパイをもらったお礼のメールを送るつもりかもしれない。
 達磨が結実香に携帯電話を渡すと、熱心に画面と睨めっこしながら、携帯電話のボタンを打っている。

「終わった?結実香ちゃん」
「まだ。達磨は気にしないで!」

 無茶を言うな。お前が使っているのは俺の携帯電話だ。