少しは進展させようとした達磨だったが、なかなか思うようにならない。
 結真は口元に生クリームをつけたまま、パンケーキを食べている。達磨は結真の頬に手を添えて、口元についている生クリームを舐めた。結真は顔を紅潮させて、目を丸くして、達磨を見た。

「生クリーム、ついていたよ」
「口で言ってよ!」
「俺にされて嫌だった?」
「嫌じゃないよ!ただ・・・・・・」
「何?」
「恥かしいの!」

 未だに顔が赤い結真がさくらんぼのように達磨には見えた。達磨が頬に唇を近づけようとすると、結真に頭を叩かれた。

「今、私の頬を噛もうとしたでしょ!?」
「どうしてそうなるのさ?」
「歯が一瞬、見えたもの!」
「違うよ」