甘いお菓子をピンクのリボンで結ぶ

 盗み聞きじゃない!たまたま聞こえただけだ。
 二人きりで話をしているから、もしかして琉生が結真のことを異性として意識しているのだと、不安がよぎったが、内容が結実香のことだったので、不安は払拭された。
 
「着いたよ。結真ちゃん」
「どこ?」
「この階段を上るんだよ」

 目の前にある階段を見上げると、パンケーキの店の前に看板がある。
 達磨と結真が階段を上って店内へ入ると、甘ったるい匂いが漂っていた。

「すごく甘い匂いで、どれも美味しそうね」
「全部は駄目だからね?」
「当たり前よ!帰ることができなくなっちゃう」

 結真がメニューと睨めっこしている間に達磨はさっさと決めた。

「もう少し待って!」
「焦らなくていいよ」