達磨は結実香に指名されて、さらに眉間に皺を寄せている一方、琉生はニヤニヤと笑っている。結実香はどこの店へ行こうかと、前後左右にある店を見ていることに気づいた達磨は咄嗟に手で結実香の視界を遮断した。
 視界から情報が入るからお腹が空くのだと思っていると、結実香のお腹がキュルルルルルと鳴った。

「あのさ、給食を食べたよね?」
「嫌いなものばかりだったの」
「残したら駄目じゃん」

 どれだけ残したのかは知らないが、それで何かを食べさせてもらおうとする結実香の都合のいいように動くつもりはない。
 好き嫌いをすることがどうして良くないのか、琉生ができるだけわかりやすく説明していた。

「達磨、とりあえずお前の家にこの子を連れて帰れよ」
「冗談だろ・・・・・・」