「痛いな、何をするんだよ?琉生」
「お前こそ、こんな小さい子を泣かせて。それでも高校生か?」
「五月蝿いな。お前も手伝えよ」
「達磨にいじめられたの?お兄ちゃんに話してみな」

 琉生が優しい口調で話しかけると、少女は首を横に振った。

「お兄ちゃん、だぁれ?」
「俺は奥積琉生。君は?」
「結実香だよ」
「可愛い名前だね」

 琉生が結実香の頭を撫でようとしたときに達磨がその手を振り払った。

「達磨、俺に喧嘩を売っているのか?後にしろよ」
「そんなんじゃねぇよ」
「た・・・・・・つま?」
「うん?ちゃんと言ってみな。達磨」
「た、達磨」

 達磨が結実香を抱きしめようとしたときに琉生が引き離した。

「自分が何をしているのかわかっているのか!?」
「何を?あれ?」