「達磨、起きなさい!」
「ん・・・・・・」
「いつまで寝るの?」
「んん・・・・・・」
「達磨!」

 結実香が両手で達磨の顔を挟んで、左右に揺らす。達磨が欠伸をしていると、小さな指が口の中に入ってきた。 結実香が痛がらない程度に歯で噛むと、結実香は悲鳴を上げて、達磨の頭を叩いた。
 頭を撫でながら目を開けると、達磨のお腹の上に結実香が乗っていた。

「結実香ちゃん、邪魔だよ」
「そんなことない!」
「いや、本当に・・・・・・」
「その前に言うことがあるでしょ!」

 腕組みをしてふんぞり返る結実香に溜息を吐いてから、挨拶をすると、すぐに結実香は笑顔になって、挨拶をした。
 それから結実香を退かせようとするものの、本人は離れようとせず、必死に布団にしがみついている。