甘いお菓子をピンクのリボンで結ぶ

 親について行くように結実香は自分の部屋へ行く達磨の後を追った。

「何しているの?」
「雑誌を読んでいるの!」

 達磨が勉強を終えたから同じ部屋にいる結実香に声をかけた。
 結実香が読んでいる雑誌は女性向けで読む年齢にふさわしくない。それでも結実香は熱心に服やネイル、化粧品のページを何度も捲っている。
 特に熱心に読んでいるのは化粧品のページ。美肌発色のブレンドチークや優しい印象を与えるアイシャドウ、明るい肌にするクリーミィファンデーション、色やツヤを保ち続けるルージュなど。
 どれも可愛くて、化粧品があれば結実香はすぐに使いたいくらいだった。

「達磨!」
「買わないよ」