夢から覚めたように、俺は 暖かく吹く風を感じた………… 『…………沙苗っ』 抱きしめる俺の手の力が 強くなる……… 『………俺、馬鹿みてぇ…。何、お前を手放そうとしてたんだろ…………』 「………いなくなっちゃ嫌だぁぁ…うぅ……」 俺の鼻の奥が ツーンとした。 『………ごめんな』