―城山 優(しろやま ゆう)

それが彼の名前だ。








Q.城山君についてどう思いますか?



「カッコイイってか皆の王子様だよね~中等部の時から人気だったよ」


「もう姿見れただけで幸せ!目の保養になる」


「運動神経も良いし、勉強もできるし、容姿最高だし…完璧でしょう!」


「あんな人の彼女になれたら・・・幸せすぎて死んじゃう!!」









クラスメートの女子に聞けば、皆が口を揃えて褒め称え、ハートを飛ばしながら話した。





「有紗は外部受験者だから、この城山君人気に驚いているだろうけどさ、その内慣れるし私たちの気持ちが分かってくるよ」



明るく話すのは、前の席に座っている小宮 晴美(こみや はるみ)だ。

晴美は中等部からここの学園の生徒で、外部受験で慣れない私に色々と教えてくれる。

大人っぽく美人な容姿の晴美だが、ミーハーな性格でアイドルの追っかけをするくらいの行動派だ。

そんな晴美にとっては城山君も勿論ミーハーになる対象らしい。






「ファンクラブ入るなら用紙あるけどどうする?」


ピラピラと紙をなびかせながら私に見せるが、
「いや、私はいいっす」と言って断った…これで13回目の勧誘だ。




あのイケメンにファンクラブまであるなんて…

ますますイケメンって怖い。



きっと裏では会員費をぼったくりしているに違いない!

『これは全部俺の金なんだよ!』とか会長さんに横暴を働いているんだ。




「いや、会員費とか無いからね!?有紗って変な子~」




「そこ、会員費7000円とか取っとこうよ!!」



「どっちなら納得するんだよ!ってか7000円って!アイドルのファンクラブ会費より高いんだけど!」



どうやら7000円は多すぎらしい。