そんな感じで、『表は王子様、裏では酷い男城山優君』と接した濃厚な放課後を終えた次の日。
学校に着いた私を昇降口で待ち構えていた様に立つ女子が行く手を阻んだ。
「佐々木さん。おはよう!あのさ、城山君とはどういう関係なの?」
どうやら城山君好きのミーハー女子の様だ。
「あー!有紗!!ちょっとちょっと、昨日の何!?」
そこにちょうど登校して来た晴美。
「って、皆どうしたの?」
私の隣まで来た晴美は、私の目の前に立ち『真相が知りたい』と言うような顔をしている女子を見まわして聞く。
「なんか皆、私と城山優君の関係を知りたいそうで」
私が晴美に答えると、
「あっ私も気になる」と言う晴美。
皆の目線が私に集まる。
「いや、よく分からないけど、美術室で私の描く絵見てただけだから。
私は騙されなかったから!寧ろ女子の味方だから!!」
最後の方は意気込みながら言うが、皆顔を揃えて『何言ってるのか分からない』という顔だ。苦笑いの人もいるし、キョトン顔の人もいる。
「…………えっとー。ごめん。私が有紗に聞いたのが間違ってたわ~
皆も、この子に聞くよりも城山君に聞く方が良いかもよ?」
何故か焦ったようにハンカチで顔を拭く仕草をしながら言う晴美。
「えっ!?なにそれ!!もっと聞いてくれても―」
「おだまり!これ以上喋ると、有紗の馬鹿さがばれるよ!?」
……………。
……なっ
………なんてこった!!

