「優君、私は騙されないよ!!メス豚なんて言わせねーよ!」
私がキッと顔を鋭くして優君を睨めば、
優君は口を半開きにして目を瞬かせた。
「これだからイケメンは裏があって怖いんだ。
言っとくけど、私はイケメンだからって直ぐに引っかかる程恋愛体質じゃないから」
「はっ!?えっどうしてそうなる!?」
慌てる優君に『ざまあみろ』と心の中で叫ぶ。
核心を突かれて慌ててるな…
「じゃあ、そういう事で。特に優君に興味ないから周りには黙っといてあげるけど、あんまり女なめて下手なマネしてると、その内痛い目にあうよ?」
私は、自分の中でカッコイイと思う捨て台詞を吐くと、
優君を置いて走り去った。
「決まった」
少し自分のカッコ良さに酔いしれている私は、
優君が下駄箱で『どういう事だ』と肩を落としているなんてしらない。

