優君は優しい顔をして私を見下ろした。
その顔がとても輝いて見えて。
『王子様』って言葉がピッタリだと思った。
「好きだよ。有紗が…」
「…………っ!?」
『好き』とは友達の好きなのか、恋愛の好きなのか。
その答えは、優君の顔を見れば何となく分かって…
でも、私と優君が初めて会ったのが受験日。
次に会ったのが今日だ。
好きになってもらう要素が何もない。
それに第一相手は『学園一の王子』
私なんて平凡で、特技が絵だけな女。
こっこれは…………
イケメンにからかわれてる!!
そうだ!私の反応を見てからかってるんだ。
この後普通の女子みたいに『嬉しい!私も!』なんて言ってみろ。
『はっ!冗談だよ!俺がお前なんて好きになる訳ないだろ!このメス豚が!』
とか言うんだ!!
あっぶねー騙されるところだった!!

