ぶるぶると震える手と鉛筆。

それを近くで見ていた城山君はそっと私の右手を自分の左手で覆った。




「えっどうした?」

慌てた城山君だったが、私の顔が青ざめながら城山君を見ていたのに気付き、
ため息を吐く。



「有紗さ。なんか勘違いしっぱなしだけど、
俺有紗にひどい事する気ないし」


「じっじゃあなんでいるだよー」



半分泣きそうな私を真面目に見ると城山君はまた口を開く。






















「ただ傍に居たいって理由じゃダメ?」















………………。
















「…えっとー」



「佐々木さん、どう?」


気まずい雰囲気を壊して入って来たのは、
美術部の顧問の先生だ。


皆のデッサンを見て回っていて、私の番が来たらしい。



「あっ…ちょっと調子が乗らないみたいで」

咄嗟に焦りながらの答えをすると、先生は覗くようにスケッチを見る。