夢幻~妖~

──ヒヤリ──
額の上に何か冷たいものがのっているようだ…
しかし、なかなか瞼(まぶた)が開かない。
それに布団か何かに寝ている…
ここはどこだろうか…

「気がつきましたか??
なかなか目が開かんのですねえ」
クスクスと笑っている。
少し変わった喋り肩をする。
なんだか違和感がするような…
「誰…」
目は少し開きつつある。
体を起こそうと頑張る。
すると肩を掴まれまた敷布団に寝かされる。
「急に起きたらいかんですよ??
私は凛です」
まだぼやけてはいるがなんとか回復してきた。
目の前には薄い水色の髪、セミロングの
綺麗な一風変わった少女がいる。
凛という名の少女と夢境と歳は近そうだ。
夢境は開いていた障子から外を見る。
太陽がギラギラと光を射している。
倒れる前は霧もよく出ていた。
だから梅雨だったはず…
「今は夏なのか??」
凛はニコリと眩しい笑顔を見せ
「そうです。
あなたは一ヶ月もお眠りなさったのですよ」
「じゃあ…ずっとオレの看病を…?」
「はい!!」
とびっきりの笑顔の奥に何かありそうだ。
けど、あえて聞かないことにした。

そういえば、凛に自分の名前を言うのを忘れていた。
命の恩人なのだから失礼な事をしてはいけない。
「凛さん…その…助けて頂き感謝する…
まだ名を告げていなかった。名は…」
言いかけて凛がそれを遮る。
「存じておりますよ。夢境、でしょ?」
夢境は驚いた。
凛はどうしてか知っている。
「どこかで会ったのか?」