夢幻~妖~

髪を縛っていた紐は解け、
サラサラとした綺麗な髪を下ろしたまま
夢境はぼーっと立っていた。
刀は手に持ったままだ。
意識が無い間、
何をしていたのか全くわからない。
気づけばただ立っていたのだ。





…それにしても
生臭い、肉の、血の臭いがする。
恐る恐る地を見てみる。
そこには、
沢山の血、血、血。
血まみれだ。
そして多くの妖魔が。
だが、その妖魔には一滴たりとも
血がついていないのだ。

何故だ。
何故こんなにも、
血が地に服についているのか…



血を持っていた者を探すため、
辺りを見回してみた。


!!
衝撃の光景を目の当たりにした。
数人、人が倒れていた。
しかも既に死んでいる。
自分の力が恐くなった。


「オレは人を殺した…!!
殺してしまったんだ!!」
恐くて、恐くて
血をかぶったその顔で、
狂ったように叫んだ。
それはまるで魔に取り憑かれたよう。
夢境は、絶望を感じていた…