なんか…おかしい…妙に胸騒ぎがする。理由なんて分からない…ただ急いで家に帰らなければヤバイ…という気がする





その日はあいにくと雨が降っている…そこを急いで家に帰ろうとするのは『佐野龍』という少年だ。



龍はとにかく急いだ。
この胸騒ぎが勘違いであって欲しいとおもいがら…



角を曲がればもう家だ!後一息…必死に走った。いつもどおりに両親が迎えてくれることを祈りながら…



家が見えた…はずだった。だがそこにあったのは、炎上している家だった。



「嘘…だろ…」




「龍ちゃん!あなたの家今いきなり火が…」




「何で…そうだ、母さんと父さんは!?」



「それが…佐野さん達の姿がどこにもないのもしかしたらまだ中かも…」



近所に住んでいる加藤さんが言うのだ。おそらく龍の両親はまだ家にいる。こんな炎上した家にいるのなら助かるはずがない。