傘を持った泉が近づいて来る。 「彼女とは別れたけど、忘れられないからって。 待っててって言葉は取り消したけど、絶対迎えに行くんだって」 傘を、手渡された。 「会いに行ってあげてください。翔、喜びます」 「…ありがとう…!」 笑顔を返して、走り出した。 ―・・・ ちょうど来た電車に飛び乗り、意味も無く焦る。 乗った以上、後は待つだけ。 それでも落ち着かない。