「ごめんなさい、傘これしか無くて…

私近所なんで、走るんで使ってください」

「いえ…、本当に大丈夫です!」

「でも…、」


こちらを見た女性の顔が、驚いたような表情になり。


「…茉柚、さん?」

「…え…、」


どうして見ず知らずの女性が、自分を知っているのか。


「やっぱり!茉柚さん、ですよね?

あの、翔の彼女の!」

「…!」


もしかして、この女性が"泉"なのだろうか。