くすくすと笑う彼女は、高校時代からの友達だ。
大人っぽくスタイルもいいので、
細めのスーツをすっと着こなしているのが羨ましい。
「でも、翔くんはスーツ似合いそうね」
「大人っぽいからね」
「雅人(まさと)は驚異的に似合ってなかったなー、童顔だから」
「うっ、それ私にまでぐさっとくる…!
ていうか、雅人くんと会ったの?」
「ここの駅までは一緒に来たの。
どうしてもスーツの樹ちゃんを一番に見たい!
とか言われてね」
彼女にも、高校時代からの彼氏が居る。
苦笑しているけれど、仄かに頬が染まっているところを見ると、
本当に大好きなのだとわかって。
「いいなぁ」
「茉柚は?翔くんのスーツ写メ貰ったりしてないの?」