「お疲れ、茉柚ちゃん」
事務所の椅子に腰かけると、
目の前にカフェオレが入ったカップが置かれた。
「拓未さん！お疲れさまです。これ…」
「俺から差し入れ」
「みんなには内緒ね」と付け足し悪戯っぽく笑った拓未。
「…美味しそう…」
カップを持つと、湯気と共に漂う甘い香り。
すう、と吸い込んでから、表面に息を吹きかけ少し冷ます。
ゆっくりと喉に通すと、身体が温まった。
「すっごく美味しいです！ありがとうございます、拓未さん」
「いつも頑張ってるから、ご褒美」
拓未は茉柚の正面に座り、にこりと微笑んだ。
