「茉柚はそう言うけど、茉柚こそ変わったよ」
「え、そうかな…」
自分ではわからない。
意味も無く自分の頬をぺたぺたと触ってみる。
「化粧の仕方、変わった?あ、痩せたのかな。髪型も少し違うよな」
「え、え」
確かに化粧の仕方は、樹に「こっちの方が似合う」と言われて変えた。
大学生活と共にバイトを始めてから、体重も減った。
髪も、伸ばしたままだったのを整えて、少し巻いてみた。
「な。"変わった"なんて一口に言ってもこんなもんだよ。
俺だって、髪少し伸びて痩せただけだし。あ、背は少し伸びたな」
「また伸びたの?!」
「なぜかなー。俺まだ成長期?」
おどけて言う翔。
でも、不安は少し和らいだ。
自分が知らない翔になったわけではない。

