ひっくり返されて、薬指に金属の感触を感じる。


「…翔(しょう)…これ…!」

「約束。ずっと言ってたけど…

俺、卒業したら国家試験受けて、医者になる。

最初のうちはたぶん、研修とかで忙しくて、

茉柚にも寂しい思いさせると思う。

でも、俺の帰る場所は茉柚だけだから。

だから…俺達が大学を卒業して、俺が国家試験受かったら。

…結婚しよう、茉柚」

「…翔…っ」


たまらなくて、抱きついた。

人目なんて気にならない。


「…待ってる。翔との約束信じて、待ってる…!」