「なあ、春介。知ってるか?」

コンビニのバイト仲間の剛力が話しかけてきた。

「知ってるって何が?」

春介こと高村春介はビールのケースを運びながら言った。

「お前、知らないのか?法律改正のことだよ。」

「・・法律改正?ああ、なんか、やるとか言ってたな。」


「それでさ、総理が会見をやるらしいぜ。あ、そろそろだ!春介!ちょうど俺ら交代じゃ

 ん。テレビ、見てみようぜ。」

「あ、おい、剛力・・。」


二人は、急いで休憩室に行った。


「あ、店長。店長も会見ですか?」


一服中の店長が振り向く。

「君らもか、ま、ちょうど休憩だもんな。一緒に見るか?お、あとちょっとだ・・。」


チャンネルを切り替えると、アナウンサーが写った。


『えー、ここで、生放送に切り替えます。4時か、総理官邸で、総理が会見を行うとのことで

 その様子を、生放送で放送します。現場の、成田さあん!』

画面が、総理官邸にかわる。

「はい、現場からお伝えします、成田です。そろそろ総理が・・・あ!きました、総理で

 す。」

たくさんのフラッシュを浴びて、総理が出てきた。