その日の高揚感は、いつまでも忘れられない。

地獄への片道切符を手にしたのも、知らずに――――――――。

その時の僕は意気揚々と電車に乗って、とある場所へと向かっていた。


きっかけは、一通の当選メールだった。


学校がある日は、週に3回のペース。

春休みに入った今では、毎日のペースで、僕にはある日課を夜中にこなしている。



それは、ゲームだ。



僕は、自他共に認めるゲーマーだった。

レトロからオンラインまで、幅広くゲームをこなしている。

そんな僕の最近の注目ゲームは、仮想現実(ヴァーチャルリアリティ)ゲームだった。


日本を代表するゲーム会社「フェアリーテイル」

この会社が一昨年に次世代ゲーム機の開発を告知した。

それ以降、ゲーム業界に革命が訪れた。

人間の身体が、ゲーム世界へと入ることができるという夢。

これを見事に、その会社は具現化してみせたのだ。

最初は、企画倒れに終わるだろうと考えられたそのゲーム開発は、


今年になり、動作や環境テストを残すのみとなった。