彼女は決心したような顔で、見たこともない真剣な顔で、俺にこう言った。

「ハルは、テル君と・・・甥御君と、あたしと、どっちが好きなの!?」

 ・・・・出た。


 俺は彼女を通してその向こうの壁に貼ってあるポスターをぼんやりと眺めた。

 ・・・・ホラ、また宇宙語を話してる・・・。


 女の子ってよくわからない。

 そんなコトバを話して、そんな体を持って、どうして平然とこの星にいるんだ?

 そんな瞳をして。

 そんな唇で。

 そんな柔らかさを持って。

 一体どうして、地球には男と女しかいないのだろうか。

「ハルってば!」

 彼女の声で現実に戻る。

 俺は呟くように答えた。こういうときは、こう答えるって世の中の法則で決まっている。

「君が好きだよ」

 別に嘘じゃあない。