このアパートはペット禁止。城田さんがどんなに優しい人だったとしても、飼っていると思われたらまずい。

 慌てて挙動不審になる私。必要のない身振り手振りがうるさいくらいついてくる。

 慌てるな、私。自分自身にそう言い聞かせる。

「こ、この猫は、ですね……、そう、飼っているんじゃなくて」

「ただエサを与えてるだけ。彼氏があげてるから、だから私も。だろ?」

 城田さんの素っ気ない言葉がロープで括るように胸をぎゅっと締めつけた。